TERAなできごと。

うちの猫 テラのこと、その使用人のひとりごと。

聞きたくない声

 

 

真冬で窓を閉め切っているというのに、数日前から猫の鳴き声が部屋の中まで届く。

雌猫の発情期特有の大声だ。声の出所は見当がついている。

今の家に住み始めてからずっと気になっている、窓から見えるお宅。ここに来た当初、何匹もの猫がそのお宅の屋根を歩いているのを頻繁に見た。その屋根の上で三匹の子猫に乳を与える猫も見たことがある。

その頃、うちの集合住宅の敷地内でもよく猫に出会ったし、駐輪場は猫のトイレになっていた。

そのうちにいつの間にか猫の姿を見かけなくなった。

外に出さないようにしたらしいと聞いた。おそらく近隣からの苦情だと思う。

猫の姿を見なくなっても、季節になるとあいかわらず鳴き声が聞こえてくる。

雌猫の大声、そしてどこかで雄猫がケンカする声。

望まれない命が生まれていないだろうか。心配でならない。

 

殺処分される猫がいるのは「計画外の繁殖」が最大の要因。

犠牲の大半が生まれてすぐの子猫だ。

完全室内飼いにするから避妊手術は必要ないだろう、というのは甘い。

動物の性衝動は人間の比ではない。家に閉じ込められていても、相手を求めて必死に外に出ようとする。雌猫の脱走は発情が原因であることが多い。猫は繁殖力の高い動物であり、外で相手に出会えばほぼ間違いなく妊娠する。お腹にいくつもの命を抱えて帰って来る。やがて生まれて人の手に負えなくなり捨てる。

こういう犯罪者がいるのが現実だ。

 

では、生まれてしまったら里親を探します 、で良いのか。良くないと思う。

うちの猫はそのケースで出会った子猫だった。後ほど確認して、うちも含め5匹のきょうだい皆が里子にいったと聞いた。

その頃は気づいていなかった。

同じように里親を探している子猫でも大きな違いがあるということ。

もっと悲惨な状況に置かれている子猫たちがいる。5匹分の里親が取られたと考えられないだろうか。

 

お腹にメスを入れるのがかわいそう?

そんなのんきな考えが、結果的に多くの悲劇を招くことになる。

猫の繁殖力を甘く見ないでほしい。

人の生活があるところで繁殖してしまえば、生まれたそばから人の手でゴミのように扱われる。のどかなところでは野生動物の餌食なる。

そんなことを繰り返していてはいけない。