TERAなできごと。

うちの猫 テラのこと、その使用人のひとりごと。

見上げてわくわく

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上方に獲物(おもちゃ)がいるときのわくわく顔。

 

 

去年の震災直後の夜、誰もいない真っ暗な寝室で、テラさんが落ち着きなく天井を見上げては変な声で鳴く。こっそり観察していると、ときどき上に向かって手を伸ばしたりジャンプしたりする。これは虫が飛んでいるのだな、と思って探すが見当たらない。部屋を明るくして隅々まで目を凝らしても、アルジには何にも見えない。それでもテラさんはシッポをぶんぶん振りながら、一心不乱に天井を見回している。別の部屋に抱えて連れて行っても、すぐに引き返して寝室に飛び込んで行く。これが午後7時前後に一時間、一週間ほど続いた。

 

アルジは次第に不気味に思えてきた。これはもしや何かの前兆現象か!?さらに巨大地震が起こるのでは!?…阿呆だ。

 

しばらくして、偶然見て気づいた。

隣接する施設の駐車場から、ヘッドライトらしき光が我が家の寝室の窓まで届く。光はわずかに開いていたカーテンの隙間から入り込み、天井に映った光のすじは車の方向転換とともにササーっと動く。

駐車場はそれほど出入りがない。めったにその現象は起きないと思うが、テラさんはたまたま見たのだろう。またササーってなるぞと期待して天井を見張っていたのだ。それにしても、毎日決まった時間に張り込むとは。そうとう楽しかったらしい。今でも思い出したようにときどきやっているくらいだ。

何気ないわずかな光でも、思いがけず猫を夢中にさせることがある。